ナンパ初級者が最もつまづくのが声掛けだ。
今宵もどれだけの初級者が女を前にして、どう声を掛けたらいいのかわからず、そのまま地蔵と化していることか。
そんな初級者が悩みに悩んでやっと上級者に質問を投げかけた時、やつらは決まってこう返す。
「声かけの第一声?なんでもいいよ、適当に」
僕はこう返したい。
そのクソの役にも立たないアドバイスはただちにやめろと。
だって
上級者の「適当」を初心者がマネられるわけない
じゃないか。
人にはそれぞれ、経験と技量の格差がある。
当然の話だ。
野球のイチローが「スライダーはまあ適当に引っ張ってセンター飛ばせばいいから」とか言われても、ほとんどの人はそんなことできるはずがない。
神絵師が「ここは適当にこうやって~」と言われて、同じように神絵が描けるか!?
できるわけないぜ!
成果を出せるレベルの「適当」には本人の力量がいるのだ。
上級者の「適当に」には、圧倒的な練習量と経験、センスに裏打ちされた技術がある。
間違っても初心者が「適当に」やって出来るものではない。
初心者には少なくとも、論理的な説明が必要なんだ。
説明を放棄して「適当に」なんてふわっとした抽象的な言葉で済ませるなんて、想像力が欠如しているとしか思えない。
初心者がいかに出来ないかということをわかっていない。
あるいは忘れている。
「適当に」という人は、良き師にあらず
ナンパ界隈ではコンサルやら塾やらを開いているナンパ師も多い。
それ自体は大いに結構だと思うが、彼らの公開しているノウハウの中で「適当でいい」というような表現が多く出ている場合は、その人に教わるのはやめておいた方がいい。
ナンパ師個人としては優秀でも、「人に教える能力」に欠ける可能性が高いからだ。
教える側に求められる能力というのは、初学者の視点に立ち、なにがわからないかを察し、必要な知識を適切に与えることに他ならない。
大学で眠くなるような講義を受けたことはないだろうか。
教壇に立つ教授らの本業は、研究者であり学者だ。
しかし自分自身が学ぶプロでも、それを人に教えるプロであるとは限らない。
初心者には「適当に」では伝わらない。